|
スピーキング力とは大きく分けて次の3つの能力から成り立っています。 |
1. 状況別会話能力 2. 事物描写能力 3.意見陳述能力
|
( スピーキングのレベル ) |
レベル1−日常会話ができる。chattingのレベル。 レベル2− ディスカッション(討論)ができるレベル。 レベル3−プレゼン・スピーチができるレベル。 レベル4−演説や講演ができるレベル。 |
しかし、ノンネイティブの場合、最も低いレベル1の日常英会話でも、「基本動詞を含む基本多義語の知識の欠如」や「前置詞・時制などの用法の奥深さ」や「日英発想の違い」などの理由から、なかなか難しくてやりがいのある(challenging)ものと言えます。たとえば、故障したテレビをぽんと叩いたら直った場合に、ネイティブなら幼児でも”I’ve got it working.”と言えますが、日本人にはなかなか言えないなどの現象が起こって来ます。ところで、英語での「発信力」を、ネイティブスピーカーの次元から、その「運用語彙力」、「受信力(リーディング力、リスニング力)」と比較すると次のようになります。 |
(スキル別英語運用力対照表)
|
概して言えばレベル1は、教養が全くないネイティブスピーカーか日常会話に毛の生えたぐらいのスピーキングしかできない移民レベル(米国人の約5%)で、レベル2は、ネイティブのハイスクール卒のアベレージ(米国人の約45%)、レベル3は、ネイティブの大卒のアベレージ(米国人の約25%)、レベル4は、学者、弁護士、作家、ジャーナリストなどのネイティブのインテリのアベレージと言えます。 この対照表から言える事は、ネイティブの場合はスピーキング力とライティング力、リーディング力、リスニング力が相関関係にあるということです。つまり母国語民の場合は、スピーキング力を伸ばそうとするなら、大学や高校などで十分にリーディングやライティングをしなくてはなりません。さもなければ幼稚な話し方のままで世間話ぐらいしかできなくなってしまいます。ところが日本人の場合、受信力の一つであるリーディング力はかなりのレベルに達している人が多いのに対して、リスニング力やスピーキング力、運用語彙力、ライティング力などの「発信力」が、ネイティブスピーカーに対して非常に劣っているのが現状です。これは日本の伝統的英語教育に起因する、日本人英語学習者の英語運用力UPのアプローチにおけるバランスの悪さを物語っています。 |
では日本人は何故そういった「発信力」が弱いのか、その問題点と原因を究明してみましょう。 |
( 日本人の英語「発信力」の20の問題点とは!? ) |
1.音声・ディリバリー面 @ 発音がカタカナ的で通じないか、誤解を招く。 A 英語はストレス・イントネーションが重要であり、それによって意味が大きく変わることを知らないため、その使い分けができない。 B 英語にリズムが無くごつごつしている。 C 話すスピードが遅すぎるか、あるいは速く話そうと焦って英語が乱れ聞き取りにくい。 2. 語彙面 @外来語の弊害で英単語を誤用してしまう。 A英和辞典で覚えた単語の意味につられて、正しく語彙を使えない。 B英単語の意味の広がりをつかめていないため正しく語彙を使えないか、非常に限られた使い方しかできない。 C類語の使い分けができない D単語の結びつき(コロケーション)を知らないので正しく語彙を使えない。 E非常に頻度の高い日本語を英語で言えない。 Fネイティブの子供でも使える基本動詞、句動詞を使いこなせない。 3.文法面 @時制のミスが非常に多い。 A前置詞のシンボルがつかめていないのでよく使い方を間違える。 B助動詞の機微が使いこなせない。 C冠詞や名詞の可算・不可算でことごとく間違える。 4.発想面 @日本語の発想から来る英語を使って通じない。 A物事を論理的に分析し判断する力が欠けており、頭の中で意見がまとめられない。 B理路整然と話せないので通じにくい。 5.背景知識 @世界情勢や欧米の文化に関する知識が乏しくて、様々な話題についていけない。 A日本のことをよく知らないため、外国人に聞かれても答えられない。 |
@の「音声・ディリバリー面」に関しては、日本語を発音する時と同じ様に「胸式発音」でノーストレス、ノーイントネーションで英語を読んだり話したりする人いますが、それは非常に聞き取りにくいのです。英語は「ストレス(stress-based)言語」、「イントネーション(intonation-based)言語」であると頭を切り替えて、まずはリプロダクション(英語を聞いた後でそっくり真似て言う)やシャドイング(英語を聞きながら真似て言う)や音読練習によってトレーニングしましょう。この面が苦手な人は、おそらく今まで英語を耳からInputしてリピートするといったことをあまりしなかった人でしょう。そういった訓練を大人の場合は約1,000時間(1日1時間で3年弱)ぐらいすればかなりの効果が期待できます。
Let’s enjoy the process! (陽は必ず昇る!)
|