スピーキング上達の極意とは!?
 
何故日本人は英語を話すのが下手なのか!?
 

スピーキング力とは大きく分けて次の3つの能力から成り立っています。

 1. 状況別会話能力

旅行英会話を始めとし、感謝、謝罪、再会など様々な状況に応じて適確なやりとり( situation dialogue )ができる能力のことです。俗に言う「英会話」はこの要素が最も高く、「状況に応じてこう言おう!」といった英会話の本が最も多く市販されており、大部分は決まったフレーズを暗記することによってマスターできます。記憶力がよければ、100時間ぐらいで大体のsituation dailogueは基本的な最低必要レベルまでこなせるようになります。ただし日本では英語を使う状況に限りがあるため、英語圏に滞在しないとこの能力は身につけることは困難でしょう。
しかし、あらゆる状況を日本人がネイティブスピーカーの発想で表現できるようになるのは至難の業で、これはライフワークと言えます。また、TOEICの「対話の応答式リスニング問題」はこの能力を多項式(multiple choice)問題によってテストするものですが、実際の英会話であれ程高度なやりとりができれば、これまた英会話の「上級者」と言えます。

 2. 事物描写能力

 何が起こったか、あるいはどんな映画[本、人物、絵、車、国]なのか内容を話したり、歌舞伎とは?合気道とは?のように事物を説明する能力のことです。TOEICにおける写真描写テストや、英検準1級や面接試験に見られる4こま漫画を描写させるテスト、通訳ガイド試験における日本事象を説明させる問題などがこの「事物描写能力」を評価するテストとして知られています。 この能力は「状況別会話能力」と違って、一朝一夕に身につくものではなく、また決まったフレーズを暗記するだけでも不十分ですが、「最短距離超効果的英語学習法」によって約1000時間で身につけることは可能です。実際の日常英会話ではこの能力が最も重要で、1の「状況別会話能力」だけでは中身のある話ができないため、ネイティブスピーカーと会話していてもつまらない人間だと思われるので、是非本物の力を身につけ欲しい能力です。

 3.意見陳述能力

これは、何らかのトピックについて意見を論理的に述べる(argument)能力のことです。特に社会問題に関して、evidence(データ、証拠)に基づいて分析・プレゼンテーションをしたり、討論(反対尋問(cross-examination)に答えたり、反論(counterargument))したりする能力のことで、今、国際政治・ビジネス社会で最も必要とされ始めてきている能力です。つまり英検一級、国連英検、通訳ガイド試験、ケンブリッジ英検などの面接試験でテストされる英語でのディスカッション能力です。

この能力UPのためには、単なる英語表現力だけでなく、論理的分析能力(critical thinking[reasoning] ability)を高めておく必要があります。このlogical argumentは日本人が非常に苦手とするものですが、「最短距離超効果的英語学習法」によって、国際社会で通用する「論理的意見陳述能力」を、これまた約1000時間のトレーニングで身につけることができます。
 これらが英語スピーキングの三本柱で、単に”speak English fluently”できるだけではなく、これら3つの能力が備わっていて初めて”communicative competence[skill, proficiency]”があると言えます。この他、上級・超級レベルでは、”eloquent(雄弁で説得力がある)”、”pithy(引き締まって力強く無駄がない)”、”humorous(ユーモアがある)”などの要素が重要となってきます。



( スピーキングのレベル )
   レベル1−日常会話ができる。chattingのレベル。
   レベル2− ディスカッション(討論)ができるレベル。
   レベル3−プレゼン・スピーチができるレベル。
   レベル4−演説や講演ができるレベル。

   しかし、ノンネイティブの場合、最も低いレベル1の日常英会話でも、「基本動詞を含む基本多義語の知識の欠如」や「前置詞・時制などの用法の奥深さ」や「日英発想の違い」などの理由から、なかなか難しくてやりがいのある(challenging)ものと言えます。たとえば、故障したテレビをぽんと叩いたら直った場合に、ネイティブなら幼児でも”I’ve got it working.”と言えますが、日本人にはなかなか言えないなどの現象が起こって来ます。ところで、英語での「発信力」を、ネイティブスピーカーの次元から、その「運用語彙力」、「受信力(リーディング力、リスニング力)」と比較すると次のようになります。

 

(スキル別英語運用力対照表)
Level 運用語彙 ライティング リーディング リスニング
2万語以上  洋書が書ける タイムは楽に速く深く読める
1万語〜1.3万語 大学などのレポートやペーパーが書ける タイムが読める  大体どんなものでもわかる
5千〜7千語 ビジネスレターなどの手紙が書ける リーダーズダイジェストレベルの文献が読める 難しい論評や学術的なもの以外はわかる
2千〜3千語 簡単な書置きが書ける 読めるものが少ないのでほとんど読まない ホームドラマのような簡単なテレビ番組ならわかる

 

 概して言えばレベル1は、教養が全くないネイティブスピーカーか日常会話に毛の生えたぐらいのスピーキングしかできない移民レベル(米国人の約5%)で、レベル2は、ネイティブのハイスクール卒のアベレージ(米国人の約45%)、レベル3は、ネイティブの大卒のアベレージ(米国人の約25%)、レベル4は、学者、弁護士、作家、ジャーナリストなどのネイティブのインテリのアベレージと言えます。
 この対照表から言える事は、ネイティブの場合はスピーキング力とライティング力、リーディング力、リスニング力が相関関係にあるということです。つまり母国語民の場合は、スピーキング力を伸ばそうとするなら、大学や高校などで十分にリーディングやライティングをしなくてはなりません。さもなければ幼稚な話し方のままで世間話ぐらいしかできなくなってしまいます。ところが日本人の場合、受信力の一つであるリーディング力はかなりのレベルに達している人が多いのに対して、リスニング力やスピーキング力、運用語彙力、ライティング力などの「発信力」が、ネイティブスピーカーに対して非常に劣っているのが現状です。これは日本の伝統的英語教育に起因する、日本人英語学習者の英語運用力UPのアプローチにおけるバランスの悪さを物語っています。


では日本人は何故そういった「発信力」が弱いのか、その問題点と原因を究明してみましょう。



( 日本人の英語「発信力」の20の問題点とは!? )
1.音声・ディリバリー面
@ 発音がカタカナ的で通じないか、誤解を招く。
A 英語はストレス・イントネーションが重要であり、それによって意味が大きく変わることを知らないため、その使い分けができない。
B 英語にリズムが無くごつごつしている。
C 話すスピードが遅すぎるか、あるいは速く話そうと焦って英語が乱れ聞き取りにくい。

2. 語彙面
@外来語の弊害で英単語を誤用してしまう。
A英和辞典で覚えた単語の意味につられて、正しく語彙を使えない。
B英単語の意味の広がりをつかめていないため正しく語彙を使えないか、非常に限られた使い方しかできない。
C類語の使い分けができない
D単語の結びつき(コロケーション)を知らないので正しく語彙を使えない。
E非常に頻度の高い日本語を英語で言えない。
Fネイティブの子供でも使える基本動詞、句動詞を使いこなせない。

3.文法面
@時制のミスが非常に多い。
A前置詞のシンボルがつかめていないのでよく使い方を間違える。
B助動詞の機微が使いこなせない。  
C冠詞や名詞の可算・不可算でことごとく間違える。

4.発想面
@日本語の発想から来る英語を使って通じない。  
A物事を論理的に分析し判断する力が欠けており、頭の中で意見がまとめられない。
B理路整然と話せないので通じにくい。

5.背景知識
@世界情勢や欧米の文化に関する知識が乏しくて、様々な話題についていけない。
A日本のことをよく知らないため、外国人に聞かれても答えられない。

 

  @の「音声・ディリバリー面」に関しては、日本語を発音する時と同じ様に「胸式発音」でノーストレス、ノーイントネーションで英語を読んだり話したりする人いますが、それは非常に聞き取りにくいのです。英語は「ストレス(stress-based)言語」、「イントネーション(intonation-based)言語」であると頭を切り替えて、まずはリプロダクション(英語を聞いた後でそっくり真似て言う)やシャドイング(英語を聞きながら真似て言う)や音読練習によってトレーニングしましょう。この面が苦手な人は、おそらく今まで英語を耳からInputしてリピートするといったことをあまりしなかった人でしょう。そういった訓練を大人の場合は約1,000時間(1日1時間で3年弱)ぐらいすればかなりの効果が期待できます。


  Aの語彙面に関しては、一番の弊害は「英和辞典」やシケ単のような「単語集」によるボキャビルでしょう。特に悪いのは、代表的な意味だけ読んでわかった気になり、例文やフレーズや他の用法をほとんど読まないといった、典型的な高校の英語の勉強法です。このアプローチでは、英単語の意味の広がり(semantic field)がつかめず語感(feeling of the language)が養われず、おまけにコロケーション(語と結びつくフレーズ)で覚えていないために、英語の語彙を正しくあるいは幅広く運用することができるようになって行きません。たとえば”embarrass”を「当惑させる」と覚えてピントのはずれた使い方をしたり、”develop”を「発展させる」と覚えても非常に限られた使い方しかできないという現象が起こってくるわけです。こういった弊害の打開策は、何といっても「英英辞典」の活用です。これまた約1000時間ぐらいの英英辞典の使用で英語の語感をかなり養うことができます。
 また、日本人にとって伝統的な英語学習法のもう一つの問題点は、語彙学習がリーディング力UPのためであったり、あるいはネイティブの視点からなされている点です。このアプローチで行くと、日本語のコミュニケーションででよく用いられる日本語の語彙・表現が英語で言えないことがよく起こってきます。例えば、「威張る」、「焦る」などのよく使われる日本語の英語である”act big, take an arrogant attitude, lord it over, throw one’s weight around”、”feel pressed for time, be in a hurry”などがすぐに言えるでしょうか。この他、社風などに「染まる(take on~)」、借金などが「たまる(run up~)」なども同様のことが言えます。これらは大学入試に出てくるハイレベルな文章用の英単語を使わなくても、ネイティブなら小さな子供でも知っている「句動詞」を使って表現することができる場合が多いわけです。この点をしっかり頭に叩き込んだ上で、日本人の苦手な「基本動詞・句動詞」を徹底的に学習し身につける必要があります。これもそれらを大体頭に入れるだけなら100時間ぐらいもあれば十分ですが、自由に使いこなせるようになるにはその十倍の1000時間ぐらいはかかかるでしょう。


 Bの英語の文法面に関しては、何といっても難しくて重要なのが「時制」と「前置詞」と「冠詞」の正しい使い方です。英文読解のための文法的英文分析などは、発信力UPはもちろん受信力UPのためにもあまり重要ではありませんが、英文法をもう一度「発信型実用英文法」の見地から、是非、真剣に勉強しましょう。これは100時間ぐらいあれば大体マスターできますが、スピーキングやライティングで楽に使いこなせるようになるには、その10倍ぐらいの年季がいります。


 Cの「発想面」ですが、これを語るには「コミュニケーション哲学」を確立する必要があります。日本の英語コミュニケーション界、英語教育界、通訳・翻訳界では、伝統的にネイティブスピーカーの発想の英語を発信できることが理想とされているため、真に英語を学びたいなら、その母国語圏であるアメリカやイギリスへ行くことが薦められます。そして、日本語的な発想の英語は「欧米の発想」の圧力を受けて、間違いとみなされるか、よくても「そんな英語は聞いたことが無い、変な英語だ。」というそしりを受ける可能性が大です。つまりいかに文法的、語法的に正しくてもそんな英語はだめだと言われるという、欧米によるいわば”linguisitic imperialism(言語コミュニケーションにおける帝国主義[覇権])”が起こっています。
 しかし、Internet世界はどんどんと”borderless”で”mutlcutural”化が進み、中国人が世界の人口の4分の1(世界中の華僑を含む)を占め、インド人は独自の”Indian English”に誇りを持ち、アメリカのような英語圏においてもSpanishやAsianがどんどんと増大している中で、ネイティブスピーカー特に、Caucasian(白人)の発想の英語のみをノンネイティブに押しつけるのは”unfair”であるし、またそれを覚えるだけでは通用しなくなって行くでしょう。
 こういった中で、世界中の人々が理解しやすい”clarity”と”political correctness(人種や性別や年齢などの差別のないこと)”を基調とする”borderless English”によるコミュニケーションの確立とその普及と、各国の文化・発想(languaculture)に反映させた、例えば、Japanese English, Chinese English, Indian English, Spanish English, Arabian Englishのような各種英語の確立とその理解を世界中に広めることが必要となってきます。  
  こういった現状や日本人英語学習者の英語学習上の問題点や現状をふまえて、IES School of Communicationは、英語教育とそのプログラミングをバイリンガルのスタッフによって過去20年間行ってきました。その結果、高い英語教育と英語学習教材出版の実績を誇っています。
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Let’s enjoy the process! (陽は必ず昇る!)
 

 

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