2011年1月英検準1級問題分析と対策
語彙問題分析と攻略法はこちら

(準1級リスニング問題攻略法)

1級合格を目指す人も「リスニングの攻略法は同じなのでご参考にしてください。

 

リスニング問題で高得点を取るには「リスニング基礎体力」と「問題攻略力」の両方をUPさせる必要があります。前者はバイリンガル放送を見たりNHKの英語のラジオ番組などを見たりしてUPさせることができますが、後者は、「選択肢速読即解能力」、「質問パート予測力」、「選択肢パターン把握力」を身につけることによって大きくUPさせることができます。リスニング問題は「起こった何かの問題」や「これから何かをする」という質問が多いのでその点に注意して聞いてみたり、選択肢では、「共通点」や「コントラスト」や「誤答トリックパターン」を見抜くことによってスコアをUPさせることができます。

 

今回の問題の場合、まずPart 1では問題1の対話文は

: I don’t mean to be rude, honey, but this soup tastes a bit odd.

: But I followed the recipe carefully.

: Maybe the amounts were wrong.  

: I don’t think so. I didn’t have any cooking wine, though, so I used wine vinegar instead.

   Is that problem?

: They are totally different. Wine vinegar is sour.

: Ah, I guess that explains it!

: still, I appreciate you cooking dinner tonight.

: Thanks, I’ll be more careful next time

Question: Why did the soup taste strange?

 

解答の選択肢が

1. The man added the wrong ingredient.

2. The man measured the amounts incorrectly.

3. The man forgot to use wine vinegar.

4. The man did not use a recipe.

 

となっていますが、これらを注意して読むと、「計測」を表す2番の選択肢は他とは全く異なり、1番と3番の選択肢の「共通点」ingredient(料理の材料)であることがわかります。つまりその共通点がこの「問題のポイント」で、その点に注意して聴く必要があります。

 

対話文の選択肢を比較してみるとかなり”distracter”の度合いがきついということがわかるでしょう。クリアにポイントを聞き取り、かつ選択肢を正確に読解しないと、2番の選択肢を選んでしまったり、速く話される英語に慣れていないと、3番の選択肢をdidn’tused wine vinegarがつながっていると思い込んで選んでしまうかもしれません。

 

しかし、「変な味→量を間違ったじゃないの?→いや、でもワイン酢を使った→それでだ」という流れの話のポイントは”ingredient error”なので、1番の選択肢が正解はとなります。何よりもまずリスニングの問題は「話し全体のポイントをつかむ」ことが必要です。

 

概して、added the wrong ingredient”のように、「別の語彙で言い換え」をしたり、「一般化(wine vinegarは具体例でingredientはそれを概念化したもの)したり、「サマリー」したものが正解なので、 measured the amounts incorrectlyforgot to use wine vinegarのように途中までは正解に見せて、はっきり内容を聞き取れていない人を「罠にはめよう」としています。”Wrong answers are designed to look like correct answers.”という原則があるので、その裏をかいて「選択肢に使われている語を多く含む選択肢は省く」作戦でいきましょう。

 

2番の問題をみていきましょう。

: Hi, I’m from upstairs. Apartment 304.

: I guess you’re here about the noise.

: Yeah. What’s happening?

: I’m really sorry. I’m having my kitchen remodeled. The workers are taking everything out right now, but it should be quieter once that’s done.

: Well, I’ve got exam soon. Could you at least have them stop by 5 p.m.? The noise went on until 8 last night, and I couldn’t get any work done.

: OK, I’ll make sure they do that.

: Thanks

Questions: What is the man’s problem?

 

選択肢からすぐに問題と解答が予測できませんか?

1. The noise stopped him from sleeping.

2. The workers did not show up.

3. He dislikes the new kitchen.

4. He cannot concentrate on his studies.

 

これも何らかの問題が起こり、それが何かを問う問題であるかは容易に推測できるでしょう。

問題のポイントは”disturb”の原因だと気づきませんか?そうすると2番の選択肢は論外で、3番もI’m having my kitchen remodeled.(キッチンを改装中なの)”という内容から選べず、1番か4番に絞ることができます。

 

人間はきっちりとリスニング内容を聞き取れていないと、断片的な情報から推理しようとする傾向があり、「キッチン改装中」→「キッチンが嫌い」という選択肢を選んでしまったり、また、答えがよくわからずに”noise”のように何度も流れるような音声に関連した選択肢を選んでしまったりします。2番の選択肢も巧妙で、the workersと先に述べておいて、I couldn’t get any work done.とすることで、正解らしく思えてくる心理を利用した選択肢となっています。

 

「キッチンの改装でうるさいのはもうじき終わる→試験があるので午後5時までにしてくれる→わかった」という流れの対話のポイントは「勉強に集中できないから静かにして」なので、ポイントがつかめれば容易に4番の選択肢が正解だとわかります。うっかり”I’ve got exams soon.”を聞き逃してしまうと、workの多義性から「仕事」ととらえてしまって当惑するかもしれないので、しっかり聞いて対話のポイントをつかむことが重要です。正解の4番は、勉強を”studies”という語に置き換えて話全体を「サマリー」した内容となっています。

 

Part 1対策には、バイリンガル放送、あるいは「ビバリーヒルズ青春白書」のような英語のドラマをエンジョイしながら「英語基礎体力」を高める必要があります。それと同時に、選択肢から2択に絞込み、質問を予測して”readiness”を高めてから聞くことによって難問を攻略することができます。

 

次にPart 2のパッセージタイプの問題を見ていきましょう。1つ目の問題は簡単で正答率が高いので、2つ目のパッセージ、Chess-Boxingを見てみましょう。Part 2の問題は、各パッセージのタイトルが重要で、そこからチェスとボクシングを合体したか何かのゲームであることがわかります。

 

選択肢は、

No. 15

1. It requires alternating between physical and mental activity.

2. It is more physically demanding than regular boxing.

3. Rest periods between boxing rounds are short.

4. A checkmate alone is not enough to win.

 

これだけを読んで問題内容を予測できればたいしたものです。質問はこのゲームの特徴でしょうが、さらに「共通事項」が1番と2番ないし1番と4番に表れていますが、3番は他と関連が全くありません。1番と2番は「肉体的にきついかどうか」で、1番と4番はrequiresnot enough to winから、「勝つために必要なもの」とわかります。以上の共通した選択肢の内容とタイトルから1番が答えらしいと予測することができます。

 

No. 16

1. It is no longer considered a contact sport.

2. The entry requirements have recently changed.

3. Participants must be Expert-level chess players.

4. Contestants need competitive boxing experience.

 

この問題はもっとわかりやすいでしょう。1番は関連がなく、234番は何らかの「必要条件」についてですが、よりspecificには「共通事項」の多い3番と4番の選択肢に絞れませんか?ParticipantsContestantsは言い換えで、mustneedがよく似た意味となっています。つまり「参加の条件」が質問で3番か4番に絞ってそこに集中して聞くことができる訳です。もしそうでないと答えの部分である must have a Class-A ranking in chessone step below Expert ranking”が速く話された場合に、耳と記憶が追いつかず誤答を選んでしまう可能性があります。

 

Part 2の問題には、各パッセージに問題箇所にするところが大体5つあり、そのうち23個は特に重要な箇所です。よって3つ目のThe challenge(難点) for contestants is ~と4つ目のThe rules state that ~は、問題文を聞かなくても狙われると予測して耳をそばだて記憶しておく姿勢、つまり「質問パート予測力」が必要となってきます。ちなみにリスニングの達人とは豪速で話されても、5箇所をキャッチ・リテインできる人で、逆に普通のスピードで話されても1箇所しかキャッチできない人がリスニングプアな人と言えます。帰国の優秀な人はこの能力に優れているために、準1級でも1級でも9割以上のスコアをゲットできるのですが、この能力が低い人は前述の「選択肢速読即解能力」、「質問パート予測力」、「選択肢パターン把握力」で補う必要があります。ちなみに私はリスニング問題を聞かずに選択肢だけで解いて、間違うという非常に悔しい思いをしますが、それはリスニング問題は全問正解して当然というassumptionに基づいているからです。(とても面白いでしょう。)

 

最後にPart 3の問題ですが、特に間違いの多かった28番の問題は、

Situation: You want to buy a barbecue grill you saw advertised as being on sale. When you call the store for information, you hear the following recorded message.

Question: What should you do to get a grill at the lowest price?

1. Go to a store next week.

2. Take a coupon to a store.

3. Say “Father’s Day to the sales staff.

4. Order one on the website

 

このリアルライフ型問題は、情報が錯綜して何が何だが記憶できなくなる点を利用して作られた難問が多く、まず、Henderson grills are 30% off at all D&P storesとあり、Cut out the coupon from Sunday’s newspaper to receive an extra 10% off sale items at any D&P storeとあり、その後、If you say the words “Father’s Day” to one of our sales staff, you’ll receive free gift wrapping and a card with your purchaseとあり、最後に”all non-sale items are available through our website.とあり、非常に紛らわしいのでよほど注意力とりリテンション力が高くないと厄介かもしれません。ところが、Part 3では常識を働かせて、1番と4番の選択肢はありえないと判断できませんか?1番は変だし、アマゾンのようなインターネット販売で買われると40%も取られて店の儲けが少なくなることを店が勧めるはずがないし、よって2番と3番に絞り、cut out the couponからextra 10%までの内容をキャッチするや否や正解にマーキングできれば何とかなるでしょう。

 

ちなみに私はこの問題も聞かずに正解しましたが、これは「選択肢絞込み」と「背景知識」の両方を駆使した結果で、総合得点も36点満中22点と悪いのですが、リスニングの苦手な人よりは聞かなくてもスコアが良く、それよりも言いたいことは、ほとんどの問題を2択に絞って聞けているので、放送を聴きながら「しまった賭けに負けた!」といったゲーム感覚でエンジョイする余裕ができることができます。このリスニングの「選択肢先読み分析」をするためにはリスニング以外の問題を速く解く必要があります。もしそれができない人は、穴埋め読解問題を捨てる(全部2番か3番にすれば大体2問は正解できる)という裏技があります。

 

さて皆さんいかがでしたでしょうか。以上、準1級のリスニング問題攻略法を伝授してきましたが、これは「英検1級」のリスニング問題にもあてはまることで、特にリスニング問題では、難しい問題ほどトリックを見抜きやすいので、その裏をかけばいいわけです。もちろん、ほとんどの問題は2択に絞れますが、そこから正解を導き出すには「英語基礎体力」が必要です。それでは次回は読解問題とライティング問題の攻略法でお会いしましょう。

        Let’s enjoy the process! (陽は必ず昇る!)

Webmagazine トップへ戻る