2011年度 第2回 英検1級問題分析と攻略法
2011年秋の英検1級は、語彙セクションはやや難しく、読解、エッセイ問題は通常より易しく、リスニングはやや難しく、全体的にはいつもより若干易しめで、合格点は80点前後になりそうです。
英検1級は113点満点で、大体、受験者全体の平均が65点(偏差値50)、絶対合格点が80点(偏差値62ぐらい)、合格者の平均点が85点(偏差値65ぐらい)、優秀賞が100点(偏差値82ぐらい)となっています。そして、受験者がほぼ全員準1級レベル(上智大学合格レベル)以上の中で偏差値約62を取らなければならないので、受験者のレベルが2級以上の中で偏差値60ぐらいで合格できる準1級試験と比べると、英検1級は格段の差があります。そのために、TOEICと違って、50年近くも英語学習者にとって非常にステータスの高い検定試験として知られています。とは言っても、高校時代の勉強のように「効果的な学習プログラム」に基づいて、1年間ぐらい1日2時間以上の勉強時間を割くことのできる人であれば、語彙問題で20点以上、読解問題で20点以上、ライティング問題で20点以上、リスニング問題で24点以上をゲットし、合格者の平均85点で英検1級に余裕合格するのは不可能なことではありません。
英検1級合格を確かなものにするには、読解・リスニング問題でより高い点が取れるように、語彙問題を10分で解き、エッセイを20分で仕上げて、両方を30分で終えて合計で40点取れるようにすることです。これは効果的な学習プログラムに従ってトレーニングすれば可能です。これによってリスニング問題の「先読み(選択肢を読んで問題を予測する)」ができれば、あの難しいPart 2, Part 4の問題で圧倒的に有利に対処できるようになり、また読解問題にもより時間をさくことができるので早とちりも少なくなります。では次に個別に問題を見ていくことにしましょう。
語彙問題分析と攻略法
語彙問題は、コロケーションの知識によって迷う時間が減り、全文を読まなくても解ける比率が上がって行き、レベル6:15分、レベル5:12.5分、レベル4:10分、レベル3:7.5分、レベル2:5分、レベル1:2.5分と解答時間が短くなって行きます。アクエアリーズの受講者にはレベル3で満点近くのスコアの人も多く、語彙力の弱い人は効果的なボキャビルによってレベル4で何度受けても20点以上取れるように頑張りましょう。それによって当然、読解力もUPして行くのでボキャビルは非常に重要です。
英検1級に出題される単語は3つのレベルに分けることができ、今回出題された語彙を、当アクエアリーズ出版の「英検1級対策ボキャビルテキスト」で調べてみると、解答となる問題のカバー率は21問中17問の80%となりました。さらに過去問題20年に基づく「英検1級・準1級頻度別語彙リストTop 1000(頻度順に100リストUP)」では71%のカバー率となりました。
レベル1 5000~8000語水準(基礎語彙) 主に準1級レベル・・・6個出題(28%)
enticing(7回・1級語彙Top100), dispel(7回・1級語彙Top100), transitory(5回・準1級語彙補足), attire(1回・ナシ), tenacious(6回・1級語彙Top100), lavish(5回・準1級語彙補足)
レベル2 8000~12000語水準(必須語彙) 主に1級レベル・・・7個出題(33%)
culprit(2回・1級語彙Top300), salvage(1回・ナシ), mortify(4回・1級語彙補足), conjure(2回・1級語彙Top600), flounder(2回・1級語彙Top700), culmination(2回・1級語彙Top300), precursor(2回・1級語彙Top900)
レベル3 12000語以上(完成語彙) 米国の大学院入試(GRE)レベル・・・4個出題(19%)
incision(2回・1級語彙補足), accolade(2回・1級語彙補足), slouch(1回・ナシ), rant(1回・ナシ)
カバーできなかった4つの単語は「英検1級頻度別語彙リストTop 1000」で2つカバーされています。
・bask(4回・1級語彙Top500) bask in ~(~に浴する)の形の決まりきったフレーズ
・converge(4回・1級語彙Top1000) 過去の問題では convergence(集合・収束)という名詞で多く出題
・negate(1回・ナシ) 動詞としてeffect, need, factなどの名詞を目的語にして結びつく
・truce(1回・ナシ) 新聞雑誌等で掲載されている、必ず覚えておくべき時事英語単語
※1 英単語の後にある( 回)の表示は、過去20年間の英検1級語彙問題に選択肢として出題された回数。
※2 1級Top・準1級Topの表示は当アクエアリーズ校の準1級・1級で覚えるべき1000の単語を
Top100からTop1000まで、10段階に100語毎に分けられた単語のレベル。
また、句動詞は、アクエアリーズ出版の「句動詞1000」のテキストにおける解答のカバー率は4問中4問の100%で、解答を含めた句動詞の選択肢のカバー率16問中12問と75%となりました。さらに、句動詞の研究を進め、新しく作成した「準1級・1級句動詞頻度別リストTop 600(準1最重要100 / 準1重要100 /1級最重要200 /1級重要200」では、zero in on(1級最重要200), rack up(1級最重要200), let on(準1最重要100)の3つの75%をカバーしました。
語彙問題の傾向として、通常文脈をほとんど無視してコロケーションで解ける問題がほとんどだったのですが、今回は多少文脈で解く必要のある問題が増えています。アクエアリーズの『英検1級語彙スーパーボキャブラリー教材』や『発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング(CD3枚付) 』で、「発信型ボキャビルトレーニング」を実践している人なら全体を5分ぐらいで解いて満点か満点近い点が取ることが可能です。
語彙問題は、NC(no-context型でコロケーションだけで解ける問題)、SC(semi-context型でコロケーションと空所の数語の文脈で解ける問題)、FC(full-context型でほとんど全文を読まないと解けない問題)の3つに分かれますが、英検1級の語彙問題の場合、意味・用法・コロケーションの限られたハイレベルな語彙が多いので、運用語彙の豊富な人なら、ほとんど文脈なしでコロケーションで解けるNC、SCタイプの問題の割合が高くなります。
特に、英検1級の語彙問題の選択肢はコロケーション(語と語の自然な組み合わせ)を利用すれば簡単に解くことができますので、それを交えながら解説していきましょう。
1番は、the real ~ was the dog(本当の~は犬だった)からculprit(犯人)とコロケーションで解ける「5秒問題」。さらに、accuse her neighbors’ children of destroying her flower bed(近所の子供が花壇を壊したと訴える)という文を読めば正答だと確信できる。
2番は、(in) the sun(太陽)から bask in(~を浴びる)とコロケーションで解ける「3秒問題」。
3番は、the cakes(ケーキ)からlooked enticing(おいしそうに見える)とコロケーションで解ける「5秒問題」。
4番は、(on) the city(都市)からconverge on(~に集まる)とコロケーションで解ける「5秒問題」。
5番は、Any doubts(疑い)からwere dispelled(払いのける)とコロケーションで解ける「5秒問題」。
語根でボキャビル dispel の pelは「追いやる」
□ dispel-dis(除去)+pel(追いやる)→ 追い散らす,払い去る
□ compel-com(完全に)+pel(追いやる)→ 強いる
□ impel-im(中へ)+pel(追いやる)→ 促す;強いて~させる
□ repel-re(元へ)+pel(追いやる)→ 追い払う,拒絶する
6番は、surgeons can make ~ (in) the skin(外科医が皮膚を~することができる)からmake an incision(切開する)とコロケーションで解ける「5秒問題」。また、scar tissue(傷組織) という語句はヒントにもなっている。
語根でボキャビル incision[=incise] のciseは「切る」(=cut)
□ incise-in(中へ)+cise(切る)→切込みを入れる,刻む;彫刻する
□ concise-con(完全に)+cise(切る)→簡潔な,簡明な
□ precise-正確な,緻密な;明確な
7番は、he was soon able to assemble an excellent team(彼はすぐに優れたチームを集めることができた)という事実から、the initial difficulty that Robert experienced in finding qualified staff for his new business(ロバートが新ビジネスにおいて、能力のあるスタッフを見つけるのに経験した最初の苦労というもの)は、transitory(一時的な)であると文脈で解ける「10秒問題」。
8番は、reputation(名声)からsalvage(救出する)とコロケーションで解ける「3秒問題」。
9番は、discover that she seemed to be the only person unaware that her job was being terminated(彼女の仕事の契約が終了しつつあることに唯一気づいていなかったと知る)という現実に直面してbe mortified(悔しがる)するという文脈で解く「10秒問題」。
語根でボキャビルmortifyのmortは「死」 (=death)
□ mortify-mort(死)(ぬ程の目にあう)→恥をかかせる,苦行する,克服する
□ mortgage-mor(死)+gage(誓約,抵当)→抵当,担保
□ mortician-mort(死)→葬儀屋
□ morgue-mor(死)→死体公示所
□ morbid-mor(死)(につながる)→病的な,病気の
10番は、image(イメージ)からconjure(思い浮かぶ)とコロケーションで解ける「3秒問題」。
11番は、business attire(ビジネススーツ)とコロケーションで解ける「3秒問題」。
12番は、claim(主張)からnegate(否定する)とコロケーションで解ける「3秒問題」。さらに、a study by independent researchers(独立した研究員たちの調査)まで読めばわかる。
13番は、a lack of training was causing new employees to ~ in the first year(トレーニング不足で、新入社員は初年度で~することを招いた)からflounder(もがき苦しむ)と文脈で解く「10秒問題」。
音素でボキャビル flounder の fl 「ふらふら,ひらひら,ぺらぺら軽い!」
□ flake(薄片)ひらひら飛んでいく。
□ flame(炎),flare(炎)ゆらゆら燃える。
□ flap(はためく)パタパタゆれる,バタバタ動かす。
□ flutter(羽ばたきパタパタ)
□ flicker(明滅する)光がちらちら。
□ fling(投げつける,かなぐり捨てる,放り込む)
□ flip(ピンとはじく)ぺらぺらとページをめくる。
□ flimsy(ぺらぺらと軽い薄い,薄弱な)
□ flirt(浮気する)ふらふらっと浮気する。
□ flake(薄片)ひらひら飛んでいく。
□ flash(きらめき)ピカッ!チラッ!キラッ!
□ flatter(お世辞を言う)お世辞ヘラヘラ。
□ flea(のみ)のみはふらふら軽~い。
14番は、Steve was not the most skillful soccer player, but he was ~. Even if his team was losing badly, ~(スティーブは最も上手なサッカー選手ではなかったが、彼は~だった。たとえ彼のチームがひどく負けていたとしても~)から tenacious(粘り強い)と文脈で解く「10秒問題」。
語根でボキャビルtenaciousのtenは「持つ」 (=hold)
□ tenacious-ten(持つ)→固執する;粘り強い
□ tenable-持てる→維持できる,弁護できる
□ tenure-ten(持つ)→保有(在職)権,保有(在職)期間
15番は、of many years of research(長年の研究の)からculmination(集大成)とコロケーションで解ける「5秒問題」。
16番は、eating in expensive restaurants and staying in five-star hotels(高級レストランの食事や五つ星ホテルに宿泊)からlavish lifestyle(豪華なライフスタイル)と文脈で解く「10秒問題」。
17番は、receive many ~ for her first novel((彼女は)最初の小説で多くの~を受ける)からaccolades(賞賛)とコロケーションで解ける「5秒問題」。
18番は、my teachers were telling me not to ~ in the class.(私の先生はクラスで~しないように言った)からslouch(前かがみになる、猫背になる)と文脈で解く「10秒問題」。
音素でボキャビル slouchの sl 「するする,ずるずる,つるつる,のろのろ」
□ slouch(前かがみ(になる),だらけた態度)
□ slacken(ゆるめる,弱める,ゆるむ,たるむ)
□ slander(中傷(する),名誉をきそんする)つるっと口滑って人の悪口言う。
□ slaughter(虐殺(する),と殺する)するっと平気で皆殺し。
□ sleazy(薄っぺらな,安っぽい,だらしのない)
□ sleek(なめらかな,しゃれた身なりの,口先のうまい)
□ sloppy(だらしのない,びしょびしょの,水っぽい)
□ slovenly(だらしない,ずさんな)
□ sluggish(怠惰な,のろい,緩慢な,不振の)
□ slumber(うとうとする,まどろみ)ずるずる~とうたた寝しちゃう。
□ slant(傾斜(する),偏向,観点)傾斜をずるずる滑り落ちる。
□ slender(細長い,すらりとした,わずかな,薄弱な)
□ sleigh(馬車ぞり,そりで行く)
□ slug (ナメクジ,なまけ者)ナメクジつるつる,怠け者のろのろ
□ slur(見逃す,不明瞭に発音する,中傷する)
19番は、to her co-workers about ~(~について彼女の同僚たちに)からrant(不満をぶちまける)とコロケーションで解ける「5秒問題」。重要表現のrant and rave(わめき散らす)も覚えておこう。
20番は、fossil(化石)の単語から、to the modern black bear(現代のブラックベア)のprecursor(前身)とコロケーションで解く「5秒問題」。
21番は、call a truce(休戦を申し入れる)とコロケーションで解ける「3秒問題」。
22番は、catch her students throwing paper airplanes and playing catch in the classroom(彼女の生徒達が教室で紙飛行機を飛ばしたり、キャッチボールをしているのを見る)から先生が生徒たちにhorse around(ふざける)するのを止めなさいという文脈で解く「10秒問題」。
23番は、problem(問題)からzero in on(~に集中する)とコロケーションで解ける「3秒問題」。
24番は、several thousand dollars of debt(何千ドルの借金)からrack up(ためる)とコロケーションで解ける「5秒問題」。
25番は、that we were at the mall all day(我々が一日中ショッピングモールにいたこと))から let on(口外する)とコロケーションで解ける「3秒問題」。
2011年度第2回英検1級語彙
1. political clout(政治的影響力)
acolyte((カトリック) 待者)
culprit of obesity(肥満の原因)
levy a tax on personal income(個人所得に税金を課す)
※ levy a (charge, fine, tax)(課す)「料金・税額」と結びつく
2. bask in the sunshine(日光を浴びる)
budge an inch(ちょっと動く)
muddle someone’s idea((人)の考えを混乱させる)
※ muddle one's (mind, brain, thought, life)(台無しにする・混乱させる)「考え方」と主に結びつく
scour a floor(床をこすって磨く)
3. desolate land(荒廃した土地)
※ desolate (landscape, island, sea)(荒涼とした・荒れ果てた)「場所・風土」と結びつく
vociferous audience(騒がしい観客)
※ vociferous (opposition, complaints, critic, crowd)(さかんな・騒々しい)「反対・不平」と主に結びつく
connive at gambling(賭け事を黙認する)
※ connive at (a shady deal, a criminal act, someone’s fault)(大目に見る)「悪行・犯罪・過失」
と主に結びつく
enticing world(魅力的な世界)
※ enticing (dishes, smell, incentives, perks)(魅惑的な)「料理・特典」と結びつきやすい
4. impel someone to work((人)を駆り立てて働かせる)
converge on the subject(その話題に集中する)
propagate one's ideas((自分)の考えを広める)
※ propagate (information, ideas, the race [plants])(広める・繁殖させる)「情報・生殖」と主に結びつく
augment one's income(収入を増やす)
※ augment (income, salary, forces, personnel)(増やす・増強する) 「収入・人員」と主に結びつく
5. exude self-confidence(自信にあふれている)
petrified with fear((be)恐怖で硬直する)
delude someone into buying a product((人)をだまして商品を買わせる)
dispel someone’s fear((人)の心配を払いのける)
※ dispel the (image, doubt, fear, rumor)(払いのける)「イメージ・疑い・恐れ」と結びつきやすい
6. minor ailment(軽い病気)
inoculation against malaria(マラリアの予防接種)
have a splinter in one’s finger(指にとげがささる)
incision into the stomach(腹部の切開)
7. transitory moment of life(つかの間の人生)
resilient economy(回復力の早い経済)
※ resilient (economy, business, material)(回復力のある・弾力性のある)「経済・物質」と結びつきやすい
invariable rule(不変の規則)
in the intervening years(その間の年で)
8. salvage the wrecked ship(沈没船を引き揚げる)
diversify one's product line(製品ラインを多様化する)
hoard food(食糧を蓄える)
amass a fortune(財産をため込む)
※ amass (a fortune, wealth, money)(蓄える・蓄積する)「お金」と結びつく
9. euphoric sensation(幸福感)
mortified at one’s failure in business
((be)事業の失敗を悔しがる)
※ mortify one’s (body, flesh, mind)(苦行する)「肉体・精神」と主に結びつく
pacify the angry crowd(怒る群衆をなだめる)
benevolent institution(慈善団体)
10. confute someone with facts(事実をあげて(人)に反駁する)
trounce one’s rival(ライバルを倒す)
conjure up images of fun(楽しいイメージを思い起こす)
※ conjure up (images, pictures, ideas)(思い浮かべる)「イメージ・考え」と結びつく
topple the government(政府を倒す)
※ topple the (government, regime, dictator)(倒す・転覆させる)「政権」と主に結びつく
11. business attire(背広)
physical prowess(優れた身体能力)
finesse of a great pianist(名ピアニストの腕のさえ)
veneer of honesty(うわべだけの誠実)
12. venerated writer(尊敬されている作家)
negate someone's claim((人)の主張を否定する)
sequestered village(ひなびた村)
two lovers with their arms entwined(腕を絡ませた恋人達)
13. enumerate a list of items(リストの項目を列挙する)
※ enumerate several (issues, items, reasons)(列挙する)「項目」と結びつく
pester someone for money((人)に金をくれとうるさくせがむ)
besiege a castle(城を包囲する)
※ besiege a (castle, fortress, garrison, town)(取り囲む)「要塞・町」と主に結びつく
flounder in poverty (貧困にあえぐ)
※ floundering (economy, company, business)(四苦八苦している)「経済・会社」と主に結びつく
14. opaque material(不透明な物質)
sordid desire(浅ましい欲望)
※ sordid (crimes, affair, story)(卑劣な)「犯罪・事件」と主に結びつく
diffident personality(内気な性格)
※ diffident (voice, smile, personality)(遠慮がちな)「態度・性格」と主に結びつく
tenacious efforts(粘り強い努力)
※ tenacious (efforts, strength, resistance, opposition)(粘り強い)「力・抵抗」と主に結びつく
15. culmination of years of practice(何年にも及ぶ練習の結果)
※ culminate in one’s (victory, death, resignation, arrest)(ついに~となる)「事件・出来事」と主に結びつく
terms of capitulation(降伏条件)
capitulate to (one’s demand[pressure], an enemy)(屈服する)「要求・圧力」と結びつく
incarceration for life(終身刑)
inundation of letters(手紙の殺到)
16. snide remark (中傷)
lavish spending(浪費)
※ lavish (lifestyle, spending, hospitality)(ぜいたくな・浪費の・惜しみない)「生活・消費・賞賛」と主に結びつきやすい
forlorn figure(哀れな姿)
pallid face(青白い顔)
17. sleight of hand((手品)の巧妙な早業)
receive the highest accolade(最高の称賛を得る)
vagrant life(放浪生活)
dangerous escapade(危険な向こう見ずな行い)
18. emulate someone's success((人)の成功を見習う)
※ emulate one’s (success, achievement, deeds)(まねる・見習う・競う)「成功・業績」と主に結びつく
improvise a speech(スピーチを即席でする)
※ improvise a (speech, song, poem)(即興でする)「スピーチ・曲」と主に結びつく
slouch over the table(前かがみになってテーブルに座る)
billowing smoke(もうもうと吹き出す煙)
19. incubate eggs(卵を孵化する)
rant about the government(政府に対して不満などでギャーギャー騒ぐ)
acclimate oneself to the tropical heat(熱帯地の酷暑に慣れる)
evicted from one’s house((be)家から立ち退かされる)
20. precursor of the University of Osaka(大阪大学の前身)
※ precursor of the (Internet, earthquake, social movement)(前触れ・前兆)「科学技術・災害・社会運動」と結びつきやすい
child prodigy(神童)
partisan strife(党派争い)
social pariah(社会ののけ者)
21. surge in oil prices(石油価格の高騰)
second-tier school(二流の学校)
complete rout(完全な敗北)
truce agreement(休戦協定)
22. chicken out at the last minute
(土壇場でおじけづいてしまう)
mouth off to teachers(先生に暴言を吐く)
The train chugged along.(汽車がポッポと音を立てて進んだ)
horse around on the beach(ビーチでばか騒ぎする)
23. get in on the action(活動に加わる)
load up on beer(ビールをたらふく飲む)
zero in on the problem(問題に集中する)
hold out on someone((人)に隠し事をする)
24. rack up profits(利益を挙げる)
bail out a bank(銀行を救済する)
keel over in the hot sun(暑い太陽の中で卒倒する)
trickle down someone's cheek
([涙・汗が](人)の頬を伝って流れる)
25. boot up the computer
(コンピューターを起動する)
put by [aside] a bag(バッグを脇へ置く)
let on that I told you(私があなたに話したことを口外する)
shove off(立ち去る、出発する)
読解問題分析と攻略法
読解問題では、今回のトピックは、穴埋め問題が「職場での感情表現(心理学)」と「マントルの研究(地球科学)」、内容一致問題が「冷戦とチャゴス諸島の住民(歴史)」と「法人の権利(法律問題)」、「DNA鑑定のメリット(法律問題)」と、法律関係の記事が多かったですが、非常にとっつきやすい内容のものであったと思われます。また問題もほとんどすべてそれ程trickyではなく、読むスピードの速い人なら、穴埋め2つで10分、内容一致3つを40分ぐらいで解けた人もいるぐらいです。通常、受験者全体の平均点は、穴埋めが4点で内容一致が12点の計16点ぐらいで、合格者の場合は、前者が5点、後者が16点の計21点ぐらいですが、真面目に勉強しておれば、今回も26点満中、21点ぐらいは取れる(穴埋め5点+内容一致16点)問題と言えます。
まず穴埋め問題はほとんどが解きやすく、ポジティブかネガティブを文脈から判断するだけで解ける簡単な問題でしたが、31番だけは要注意です。3と4は論外として、1と2は両方ともネガなので1を選んでしまった人もいるかもしれません。しかし、「マントルの異種要素からすると、1箇所のサンプルではマントルのことはほとんど何もわからないであろう」の文脈で、「しかし地球科学者はその意見は~と言っている」とくれば、反論を表す「的外れだ」の方が、「証明することができない」よりベターであることがわかるでしょう。わからないことを証明するのは変でしょう。
内容一致問題も、ほとんどが簡単ですが、最後のパッセージGuilty Until Proven Innocent?の39番と40番の問題だけ、やや難しいと言えます。39番は、2と3の選択肢は論外で、1と4の「トラップ」の選択で迷う人もいるかもしれませんが、4の”doubt the accuracy of their own testimony”とはどこにも書かれていないので、1の”Police~sway the eyewitness toward picking that person,…….The eyewitness may also feel compelled to identify a suspect~”をis influenced by the authorities”の言い換えたものが見抜けなくても何とか正解できるでしょう。40番は、1と2は論外として、3の「トラップ」と4の選択に迷うかもしれませんが、3の”yields results that are later contradicted by further testing in a strictly controlled environment”はどこにも書かれていないので、”not developed in rigorous scientific setting,…….whose aim was to catch and convict individualsを”as tools to close cases(事件の決着をつけるための手段)のような高度な言い換えが見抜けなくても何とか正解できるでしょう。
エッセイライティング問題分析と攻略法
次にエッセイライティング問題ですが、トピックがIs too much emphasis put on work in modern society?で、現状分析をしてそれを証明する事実を述べるパターンの「証明型」問題です。与えられたキーワードが、Business culture, Family relations, Global competition, Health, Materialism, Temporary employmentですが、キーワード全体を見て即座に、賛成(pro)か反対(con)のどちらが楽に書けるかを判断できるようになりましょう。
判断すると、proのエッセイの書きやすいことがわかるでしょう。それからエッセイでは理由は3つ述べるのが理想とされているので、イントロと結論以外にボディ3パラグラフが作れるようなキーワードの選択がベターです。Business cultureはproにもconに使えるニュートラルな語句ですが、これは後述の他のポイントの中で使えるものなので省き、Temporary employmentも使いにくいので除外した方が得策です。
Family relationsは、proがFamily relations have been greatly weakened by male workers’ company-oriented lifestyles as well as women’s growing participation in paid work.(会社人間および情勢の社会進出によって家族の絆が非常に弱くなった)のように言え、「人々が家族関係を犠牲にして働く(work at the sacrifice of their family relations)」状況を述べていきます。また conは、With a change in work ethic, people today are no longer committed to their work or company, attaching more value to family relations than before.(職業倫理が変わって会社への献身が薄れ、家庭を重視するようになって来た)のように言うことができます。
Global competitionは、proが、Increasing global competition in business today has driven companies to push their employees to work hard to increase their productivity for survival.(グローバルビジネスの競争の激化によって生き残るためにハードワークが必要となってきた)のように論を進めていくことができます。
Healthは、proがA high incidence of death from overwork demonstrates overemphasis on work at the sacrifice of health in today’s society.(過労死の高い発生率が健康を犠牲にしてまで働く傾向を物語っている)のように論を進めていくことができ、conは、Growing health consciousness among people today indicates that people put their health before hard work[no longer work so hard at the sacrifice of their health].(今日の健康意識の高まりハードワークよりも健康重視する傾向を物語っている)のように論を進めていくことができないことはありませんが、後者はアーギュメント(関連性)が弱いので前者の方が書きやすくなります。
Materialismはproで、A growing tendency toward materialism among people today has driven them to work very hard to achieve a high standard of living.(もの中心の考え方が高まり豊かな生活をしようとハードワークに走る)のように論を進めていくことができます。
英語のエッセイは日本語のエッセイ(随筆)と違って、つれづれなるままに書くのではなく、きちんとパラグラフを作って、1段落に1つのポイントを述べてそれを証明していくことになっています。これは英語圏の国語の時間で叩き込まれるものなので、留学経験の無い人は添削指導を受けて徹底的にトレーニングをする必要があります。
リスニング問題分析と攻略法
最後にリスニング問題ですが、2年ほど前は受験者全体の平均点が20点で合格者の平均が27点以上あったのが、最近では前者が17点、後者が25点ぐらいと難しくなってきており、20点を取るのも大変だという人が増えてきています。リスニング問題でのスコアを挙げるには、「リスニング基礎体力UP」と「問題攻略法会得」の2つがありますが、前者はNHKの実践ビジネス英語やCNN Expressのような語彙の豊富なマテを用いてボキャビルと同時にするのが効果的です。後者は攻略法を用いて模擬テストを受けることによって会得することができます。
その攻略法とは、問題パターンを知り、フォーカスして聞く箇所を見抜くことです。今回は問題のスクリプトが入手できない段階なので、選択肢から行う方法を伝授しましょう。リスニング問題は4つのパートに分かれていますが、攻略法が特に威力を発揮し、絶対に必要なのは誰もが苦手とするPart 2でしょう。選択肢から問題あるいは答えの絞込みまでも可能にする方法は、1.共通事項を見抜け2.Confusionを見抜け 3.コントラストを見抜けの3つです。これだけは、できれば5分から10分の選択肢先読みによって、リスニング問題の放送を聴くまでに準備しておいて欲しいものです。
今回の問題の場合、Aのパッセージでは、11番の共通事項は1(He suffered from mental health problems.)と3(He was the victim of a negative campaign.)の「何でsuffer(えらい目に会っている)しているか」で2と4は関係が無く、12番は、1(He had the support of the majority of his crew.)と4(He was defended by his relatives.)の「何に支持されたか」で、2と3は関係がないことわかるでしょう。それによって問題が予測できると同時に解答も絞ることができます。
Bのパッセージでは、13番は、2が全く他の選択肢との関連性が無く「浮いており」、1(They cause obesity.)と3(They lack key nutrients.)と4(They do not provide enough carbohydrates.)の共通事項は、「何かの問題点」であることがわかりますが、さらにもっと関連しあって紛らわしく、「Confusionを見抜く」必要のあるのは3と4でしょう。14番は、1(Their products contain added vitamin supplements.)と2(Their products are safer than meat-based pet food.)の共通事項が、「何らかの調査でわかったメリット」で他の選択肢は関連性が無いことがわかります。
Cのパッセージでは、15番は少し難しく、1. It is not usually related to lack of sleep. 2. It is generally caused by hormonal changes. 3. It is sometimes linked to other illnesses. 4. It is partly the result of social pressure.の選択肢を見ると、すべて「因果関係」を問う問題か、1と3が「関連」、2と4が「因果」の共通事項があると思うかもしれませんが、注意して読むと、1と2と4のみで「因果関係」にフォーカスして方がいいことがわかるでしょう。16番は、まず1(They show their feelings less.)と2(They display greater aggression toward people.)と3(They become more dependent on their family.)の共通事項「心的態度」で4は「比較級」も無く関連性が無いことがわかりますが、さらに1と2は、showとdisplayで「表すもの」が加わり、「コントラスト」にもなっており、より濃厚になってきます。
Dのパッセージでは、17番は4(The distance the birds fly is gradually decreasing.)は全く関連性が無く、3(Strong magnetic fields have a negative effect on the birds.)も関連性が無いのに対して、1(The birds know which way to go without being taught.[その鳥は教わらなくても道がわかる])と、2(It is not uncommon for the birds to get lost.[その鳥はよく道に迷う])は共通事項でありコントラストになっていることがわかるでしょう。18番は、1と2は食事が関連性があるように見えますが、よく読むと関連性が無いのに対して、3(Temperature influences the departure of migrating birds.)と4(Fewer birds are migrating due to colder weather.言い換えると、Colder weather is decreasing the number of migrating birds.)は、「温度の違い」、「その影響」、「渡り鳥」と共通事項は多く、問題も簡単に予測することができます。
Eのパッセージでは、19番は、3と4の選択肢は全く関連性が無いのに対して、1(To attract outside business to poor communities)と2(To support locally owned businesses.)は、「地元の経済を良くする方法」という共通事項があります。20番は、1(Loan sharks are helping stimulate local economies.)と2(Microcredit is being used for large-scale industry.)には「打開策」という共通事項が、3(Yunu’s banks has gone out of business.)と4(The financial situations for many has gone worse.)には「財政危機になった状況」という共通事項がありますが、1と2は常識的に考えてありえにくいので、3と4に絞ることができるでしょう。
皆さんいかがでしたか。英検のリスニング問題はTOEICと違って問題文が書いてありませんが、このように先読みによって予測することで高得点をゲットすることができます。この予測をしないで解く場合は、読みながら聞いて答えを選ぶか、聞いて記憶してから解くという方法の2つがありますが、前者はネイティブレベルの英語運用力が、後者はずば抜けた記憶力(retention)が要ります。かつてシンガポールで16年以上生活している英語のネイティブに、英検1級のプライベートレッスンをしたことがありますが、彼の場合は選択肢を読みながらすぐに答えがわかるので何度受けても楽に30点以上が取れますが、ほとんどのノンネイティブの場合はそれが無理なので、ずば抜けた記憶力が無い場合は、是非上述の攻略法をマスターしましょう。しかし、「リスニング基礎体力」が無いと、せっかく答えを絞ることができても誤答を選んでしまうので、前述のようにNHKの実践ビジネス英語やCNN Expressのような語彙の豊富なマテを用いて、効果的にトレーニングに励みましょう。それでは皆さん、明日に向かって英語の道を
Let’s enjoy the process! (陽は必ず昇る!)