ここまでお読みになって、「日本語教師になるためには、こんなことまで知らなければならないのか」と驚いた方もいらっしゃると思いますが、問1問3は、普段から新聞やテレビのニュースに注意を払い、時事問題に関心を持っていれば解ける問題です。日本語の授業では時事問題を扱うことも多く、学生から意見を求められることもありますので、日本語教師は時事問題について、自分の意見を言えるようになっておく必要があります。問4も、細かい問題ではありますが、日本語のクラスでは日本事情を紹介する機会もありますので、持っていたほうがいい知識です。

上記の問題では「最も適当なもの」を選ぶ問題と「不適当なもの」を選ぶ問題が交互に並んでいますので、質問の文を注意して読まないと間違えてしまいます。まず、問1は「関連が最も薄いもの」を選ぶ問題です。「経済のグローバリゼーション」はここ何年か頻繁に話題になっていますので、冒頭の問題文を読まなくても解けるとは思いますが、一応解説しておきましょう。

問題文には「情報通信の飛躍的な進歩や経済自由化の進展とともに、経済効率の向上や国際的な相互依存が急速に進んでいる」と書かれており、こうした流れが「グローバリゼーション」と呼ばれるのだ、と説明されています。この文を読むと、「経済自由化の進展」という表現から、「経済のグローバリゼーション」は、3の「自由な市場」との関連が深い、ということは容易にわかります。1の「構造の改革」、2の「構造の調整」も、「経済効率の向上」のために行われます。

残りは4の「結果の平等」ですが、これだけは何のことだか不明です。資本主義では「機会の平等」が原則ですが、おそらくそれをもじったものでしょう。というわけで、問1の正解は4ということになります。

問2の「京都議定書」の温室効果ガスの削減目標は、1997年には大きなニュースになっていましたが、今でも覚えている人はどのくらいいるでしょうか。確か京都会議の終わりごろに、エストラダ氏が「5%」という案を出し、それが糸口となって決まった目標でした。正解は1です。

問3の正解が4だというのは、普段からニュースを聞いたり新聞を読んだりしている人ならすぐにわかると思います。小泉首相は日本のODAの供与額を削減しています。選択肢1は常識ですし、選択肢2も、新聞ではよく取り上げられています。選択肢3の「円借款」は中国、インドネシアなどを対象に行われています。


問4は、「穀物自給率」の問題ですが、日本の自給率が少ない、というのはよく言われていることですので、3と4が不正解だというのはすぐわかると思います。また、米はほとんど自給していますので、1の「15%」は少なすぎるのではないか、と見当をつけることができます。正解は2の「25%」です。

今年から、通訳ガイド1次の「日本語による筆記試験」(日本地理、日本歴史、一般常識)もマークシート方式になりましたので、もしかしたら上記の問題とよく似たものが出題されるかもしれません。 通訳ガイド試験と日本語教育能力検定試験の両方に合格したいと思っていらっしゃる方には、ぜひ、新聞を毎日お読みになって、時事問題の知識を身につけていただきたいと思います。