英検1級の問題は大まかに分類すると、対話式リスニング問題、パッセージ式リスニング問題、real life形式リスニング問題、インタビュー形式のリスニング問題の4種類の問題が出題されます。それでは対話式リスニング問題のパターン分析から始めて、英検1級のそれぞれのリスニング問題対策法と実際出題された第1回目と2回目の難易度と傾向を見ていきましょう。

  対話式リスニング問題パターン分析

対話式リスニング問題のパターンは全部で7つあり、出題頻度が特に高いのは言外の意味( implications)を問う問題と対話者のハプニング(特にproblems)を問う問題であるが、これら2つに関しては、十分に問題練習(最低100問以上)する必要があります。その他のタイプは、assumptionsに関する問題以外は、使われる語彙、イディオムによってやさしくも難しくもなり、出題頻度はそれほど高くはありません。


1.
言外の意味( implications)を問う問題
  TOEFLに多いタイプで、一瞬にして行間を読まなくてはならないため難しい問題といえるが、このタイプは100問ぐらい集中トレーニングすればかなりの成果が期待できる。
2. 対話者のハプニング(特にproblems)を問う問題
  何らかの問題やハプニングが起こり、それは何かという問題で、これは英語各種検定試」すべてのリスニング問題に共通して最も多いタイプ。このタイプが単独で用いられた場合は比較的簡単であるが、implicationsやidiomsを含む場合が多いので難しい問題が多い。
3.
対話のトピック(topics)を問う問題
  What are they discussing[arguing about]?タイプの話の大意を掴ませる問題で、出題比率はそんなに高くはなく、問題レベルも簡単な方といえる。

4. 次の行動を予測(predictions)させる問題 
  これは1のimplyタイプと同じく推論力がいる問題で、中には難しい問題もあるので問題慣れする必要がある。

5.

対話者の意見・感想(ideas & feelings)を問う問題
  語彙力と判断力の両方がいる場合が多意問題で、答えのポイントの選択肢は他の語彙やイディオムでパラフレーズされているのが普通である。

6. 何かをするようにという(suggestions)を問う問題
  これもそれほど出題頻度は高くはなく比較的やさしいタイプの問題と言えますが、対話に使われたイディオムや語彙がわからなければ解けないことが多い。

7. 対話者が発話の前に思っていたこと(assumptions)を問う問題
  これも出題頻度は低いが、最重要のimplicationsタイプの問題と同様、裏のメッセージをとる問題なので、問題慣れする必要がある。 



  対話式リスニング問題を難しくする6つの要因とその対策


1.
Confusing な情報からの取捨選択
 

最初に述べたことを撤回したり言い変えたりする(reversal)のパターンをはじめとし、3つ以上の情報を与えて取捨選択させるパターン(selection)などは、1回だけでしかも速く話された会話の中で対処するにはかなりのトレーニングが必要である。

2. 行間を読まなくてはならない文脈
  implications, assumptionsタイプの問題はもちろん、suggestions, predictions, problems, ideas and feelings, topicsタイプの問題においても、大人同士の会話において最低必要なレベルの「発言の行間を読む能力」が要求されるので、英語のみならず日本語においてもすばやく行間を読めるように日常から訓練しておこう。

3.
未知の語彙・イディオム・句動詞
  対話式リスニング問題では、パッセージタイプと違って英字紙に出てくるようなハイレベルの語彙が使われることはめったにありませんが、日本人の苦手な基本動詞、句動詞、イディオム、日常会話表現が用いられることがあるので、それらを補強する必要があります。

4. 音の連結、弱形の聞き取り
  英語のリエゾンやリダクションフォームや1音節の単語など、日本語に無い音の連結や弱形に慣れないとリスニング以前に「ヒアリング」が難しいが、3の句動詞・イディオム力補強と同時にトレーニングすれば効果的にこの能力を高めることができる。

5.

トリッキーな選択肢(distractors)
  受験者に誤答(distractors)を選ばせて問題の難易度を高めるといったことがよくなされており、時制、categorical answers(every, all, always, never, noneなどを用いていわゆる「言い過ぎ」の選択を作る)、sound confusion(似た音を用いて惑わせる)をはじめとする様々な
トリックが選択肢に用いられている。

6. 速い放送スピードと問題対処時間
  これもそれほど出題頻度は高くはなく比較的やさしいタイプの問題と言えますが、対話に使われたイディオムや語彙がわからなければ解けないことが多い。