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皆さん、今日は。通訳ガイドになろう!第2回は、通訳ガイド第1次試験に出題される日本事象問題攻略法と対策を紹介します。普段何気なく使っている日本事象の語彙をそれに相当する英語(1、2語)で説明できればいいのですが、とっさには使えないこともありますし、なかなか覚えきれるものではありません。その対処法としては、英英アプローチで日本の事象の単語を自分で作ることが大切です。
例えば、「冬眠する」の英語は”hibernate”ですが、英英辞書では”sleep all the time during the
winter”と説明されており、「千里眼」は”clairvoyant”ですが、”someone who claims to be
able to tell what will happen in the future”となります。このようにどんな単語でも簡単な英語で説明できるようにトレーニングしていきましょう。
日本人英語学習の中には、英単語はたくさん知っているのに英語を話すことが苦手な人が多いようですが、そういった人は、英単語をど忘れした時にそれを即座に簡単な英語で言うことができないようです。英語を話すのはネイティブスピーカーだけではなく、語彙の少ない子供、ノンネイティブ、移民もいるので、どんな人ともコミュニケートできるようになるためにも、こういった練習は極めて重要です。それでは、今度は実際に問題練習を通じてそのトレーニングをして頂きましょう。次の日本語を英語で言ってみましょう。
1. 三脚 2. 紙ふぶき 3.踊り場 4.砲丸投げ 5.ダフ屋 6. 腎臓透析 7. 骨粗しょう症
8. 腹話術氏 9.
ピンセット 10. 発泡スチロール |
いかがでしたか。まず、英単語1語でこれらを言えるかどうかに関しては、英検1級や通訳ガイド試験に合格するレベルの人で、30〜50%の正解率、英語から日本語の意味がわかる認識語彙のレベルでは80〜90%ぐらいかと思います。正解はそれぞれ次の通りです。
1. tripod 2. confetti 3. landing 4. shot put 5. scalper 6. kidney
dialysis
7. osteoporosis
8. ventriloquist 9. tweezers 10. Styrofoam |
しかし、いくら語彙を覚えても自分の知らない言葉は出てくるし、どんどんと新語は生み出されるし、前述のように語彙の少ないネイティブの子供や大人、ノンネイティブ、移民などに通じる英語も重要です。そこでそれらを今度は簡単な英語で説明してみてください。まず10から15語ぐらいでの英語で説明できるように考えてから解答例をみるようにしましょう。
1. (a) |
three-legged object used to support
a camera, telescope, etc.(8語) |
2. |
small pieces of colored paper thrown at events
such as weddings and parades.(13語) |
3. (a) |
level area at the top of a staircase or
between two sets of stairs(14語) |
4.
(a sports) |
competition in which people throw
a heavy metal ball as far as possible(13語) |
5. (a) |
person who resells event tickets at higer
prices to make a profit(11語) |
6. (a) |
treatment of kidney failure by using a machine
to remove waste material from the kidneys(15語) |
7. (a) |
disease in which the bones become very weak
and break easily(11語) |
8. (an) |
entertainer who makes their voice seem to come
from a dummy (of a person or animal) (11語) |
9.(a) |
small metal tool used to pick or remove very
small objects(11語) |
10 (a) |
very light, plastic substance used especially
to make containers(9語) |
いかがですか、このように即座に英語で説明ができれば、語彙を忘れても通訳や英会話をすることができるし、また通訳ガイド試験も楽に合格できるようになるのです。
それでは今度は日本事象語彙を英語で説明してみましょう。
1. 海女 2. 家元 3.会席料理 4. 引き出物 5.帰省ラッシュ6.出向社員 7.黒子
8. 鏡餅 9. 稲荷寿司 10.
援助交際 |
(解答例)
1. |
a woman diver who dives for seaweed, shellfish,
without breathing equipment(10語) |
2. |
the head of a school of traditional art form (like
the tea ceremony of the flower arrangement) (9語) |
3. |
a set menu of select food served on an individual tray(11語) |
4. |
a gift given to those who attend a wedding reception
(10語) |
5. |
the annual year-end and mid-summer rush of people
to and from their hometown(13語) |
6. |
an employee temporarily transferred to the affiliated
company(8語) |
7. |
a black-attired stagehand who assists actors during
the performance(9語) |
8. |
a pair of round rice cakes offered to gods in New Year’s
days(12語) |
9. |
flavored boiled rice wrapped up with sweetly seasoned fried bean curd
(11語) |
10. |
schoolgirl prostitution disguised as receiving financial
support (7語) |
さて皆さんいかがでしたか。うまく英語で言えましたか。こういった単語を英語で説明できるようになれば、言いたい英単語を忘れても大丈夫です。こつとしては、英語はまず、上記のように、object,
person, substance, tool, diseaseなどカテゴリーを述べてから、それに「関係代名詞」や「不定詞」などを使って、in which,
that, used toのようにして修飾部分を付け足して行きます。例えば、例の5番の「帰省ラッシュ」は英辞朗では、”the annual year-end
rush of holiday-makers”となっていますが、帰省は、正確に言うと “year-end” だけでなく “mid-summer”も当てはまります。その上、帰省客は”holidaymakers”ばかりではないので
“people”に変えなければなりません。さらに、どこへ行って戻ってくるかという “to and from their hometown”を加えるとさらに正確になります。英英辞書の定義が少し長く20語ぐらいになっているものが多いので、上の英語説明のほとんどは、それらを発信しやすい10語前後にしたものです。そうすることで日本事象の語彙を上手く説明していきましょう。
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