無生物主語をマスターして英語を数段グレードUP!

日本語では堅い専門書を除いてめったにないですが、英語によく出てくるのが「無生物主語」です。専門書の場合は、もともと英語につたない大学教授が洋書を直訳したもので(これが専門分野の勉強を難しくしているので原書で読んだ方がわかりやすい)、日本語の発想に無い表現を直訳し「〜が〜を可能たらしめる」と言えば、ある意味では格調高いフォーマルな日本語とも言えますが、専門書はともかくとして、日常の会話では不自然な日本語になってしまいます。ところがここに英語の真髄があるのです。

たとえば「夜になるとふくろうがやって来る」。という和文を英語で言うのに、たいていの日本人は、”When night comes, owls come.”のように言ってしまうでしょう。しかし、英語らしい発想では、”Night brings owls.”と「S+V+O」で表現します。すばらしいでしょう。これが無生物主語の基本形で、このようにしてどんどんと無生物主語の英語を話していきます。

地図を見れば〜 The map shows〜
この道を行けば〜 This road will lead (you) to〜
電車に乗れば10分節約できる The train (ride) will save you 10 minutes.
英語が下手だったので職を失った My poor English cost me my job.
働きすぎて健康をこわした My overwork cost me my health.
そのひどい失敗で経歴を棒に振った The serious mistake ruined my career.
君がいると緊張しちゃう Your presence makes me nervous.
このビデオを見れば日本文化を垣間見ることができる This video will give you a glimpse of Japanese culture.
君が満点を取ったのでクラスの平均が上がった Your perfect score brought the class average up.
そのお金があれば財政危機を乗り越えることが出来る That money will get us through our financial difficulty.
君が馬鹿なミスをするから偉い目に合った Your stupid mistake has got us into real trouble.
教授のだるい授業で寝てしまった The professor’s boring lecture put me to sleep.
禅をすれば日本文化が見えてくる Zen practice will give you some insight into Japanese culture.
この語のお陰でこの文に味が出て来る This word gives an interesting flavor to this sentence.


といった具合に引き締まった切れる英語が出来ていきます。ちなみに、アニメ「千と千尋」では「橋を渡る間、息をしてはいけないよ。ちょっとでも息をすると術がとけてしまう。」というせりふがありますが、その英語は、”Even a tiny breath will break the spell.”と無生物主語を使っています。すばらしいでしょう。

大学受験の時にも「5分歩けば公園につきます(公園は5分ほど歩いたところにあります、の方が自然な日本語ですが)」で、A five-minute walk will bring you to the park.というのを覚えましたが、これらが無生物主語、つまり生き物でないもの主語に持ってきた文で、日本語では不自然なのですが、英語では頻出なのです。特に引き締まった英文ライティングには欠かせない無生物主語ですが、スピーキングにも当然必要なので是非マスターしてください。

 いかがでしたか?これら「日英の発想」の違いは一朝一夕には乗り越えることはできませんが、こういった事を意識して英語をInputしていけば、数段効果的にかなり英語らしい発想が身について行きます。


Let’s enjoy the process! (陽は必ず昇る!)