この他には、接続詞ではないが、日本人がよく使う「だから」、「やはり」などのつなぎの言葉も謎めいており、前者を、広辞苑の解釈に忠実に従って、”therefore, so”などで単純に置き換えられるものではないことは明らかでしょう。「だから」を分析すると

1. 因果関係の「だから」(Therefore, so)
2. さっき言ったようにの「だから」(As I told you before)
3. 言い換えるための「だから」(I mean, In other words)
4. 強調・説得のための「だから」(You know:語気はもっと強いが) 

の4つです。日本語の会話でよく「だから」を連発して話す人がいますが、そういった人はこのことを知っていないと、英語を話すときにリズムが来るってしまって、日本語を話すときのように自然なリズムで英語を話せなくなります。英語でも”you know”を連発するのは上手な英語とはいえないように、その日本語版を余り連発するのは感心しません。

よくインタビューなどで質問された時に、必ず「やはり〜」で話し始める人がいますが、広辞苑での解釈の「思った通り」ではなく、その英語版は、”Well, I think〜”でしょう。

たいていの日本人は、こういった「接続詞」や、「つなぎの言葉」の日英の違いに対して疎いので、英語を話す時には間違わず論理的に流れていくように注意しましょう。

さて皆さん、今度は練習問題を通じてさらに日英の発想の違いを洞察し、よりわかりやすく誤解を招かない英語を発信できるようにトレーニングを行いたいと思います。ただし、今回は”borderless English”というよりも、ネイティブの発想に迎合する、あるいは英語圏で”mores successful”である英語を発信するための練習です。それでは次の和文を英訳してみましょう。

英語の発想トレーニング[実践編]!

(比較言語文化)

1. 「お手数おかけした」は直訳せず「強力な推薦状」とする。
2. 「住まいまで見つけて頂いた」は、英語では”You found〜”としても意味を成さないので、お礼を述べる。
3. 「これからもよろしく」は日本語の言語文化で、英語では”Thank you.”であったり、顧客に対して店屋が言う場合は、”If there is anything we can do for you, please let us know.”、”We will be at your service anytime you want.”のように「甘え」の文化から”give”の文化に変える。例題の場合、”I hope you will give me further guidance.”と直訳すると、少し厚かましい感じになってしまいます。

このように日本語は、概してやたら敬語を使ったりへりくだったりする割に、感謝の言葉が少なく状況描写的で相手への好意を期待するといった言語文化で、それに対して英語は、へりくだることなく感謝の意思表示を強く示し「甘え」の文化でないのです。