新傾向の英検1級のリスニング問題は、以前に述べたように記述式問題がなくなり、また3つから4つのセクションへと増え、新たにReal-life 形式のリスニング問題が加わり、よりTOEICに近いリスニング問題となりました。そして聴解問題の得点は32点から34点と増えました。しかし、総得点が122点満点から113点満点になったことから、リスニング問題のシェアーは26%から30%に増えているので、以前よりもリスニングに力を入れて勉強する必要があります。今回はそういったリスニングの攻略法と対策について述べて行きたいと思います。

  対話式リスニング問題攻略法

対話式のリスニング問題は従来の形式どおりで、問題数も10題、配点10点とも変わることはありませんが、高得点を狙うためには、対話式リスニング問題の要領をつかんで聞くトレーニングが必要です。まずは、問題出題パターンですが、大きく次の5つのパターンに分かれます。

@ problems(問題) A reasons(理由) B feeling & ideas(感想) 
C prediction(予想) D topic(話題)

以上の5つのパターンが最も出題率が高く、特に@の困った状況(problematical situations)、トラブルを問う問題が多く、次にそういったトラブルを含めて何らかの状況や事柄の理由やそれに対する意見感想を問う問題、その他には、”What are they going to do?”、”What are they likely to do?”などの質問で問われているように「何をするか」を予測する問題や、”What are discussing[talking about]?”に表されるように、対話のトピックを聞く問題がよく出題されます。そしてこういったパターンに、”What does this conversation imply?”といったインディレクトなメッセージにし、それにイディオムを織り交ぜると非常にチャレンジングなリスニング問題となります。

さて、それではどうすればそういった対話式リスニング問題で高得点が取れるかというと、まず重要なのは問題の予測です。というのは、それによってポイントとつかむのに”ready”になることができるからです。これは選択式リスニング問題に全て共通することですが、私の20年の英検1級指導の経験から言うと、これによってスコアーが1割から2割UPする可能性が高いようです。それでは実際にその予測がどれぐらい役に立つかを見てみましょう。まず第1問目です。

No1.    
1 Jensen was overpaid.      2 Jensen should retire.
3 Their jobs may be in danger. 4 Their salaries are too low.
(平成14年度第1回英語検定)

以上の選択肢から、何かの問題が起きたことがわかりますね。それはビジネスに関することで首になるか何かだということが推測できませんか。ここでもう一つ注意しなければならないのは「誰が」です。というのは、選択肢1と2が”Jensen”であるのに対して、3と4とは”their”つまりこの対話の二人のスピーカーであるところから、そこのconfusingな情報を、速く1回だけ話された対話からキャッチする必要があります。以上の”readiness”を持って聞けば、後はいくら速く話されても「語彙表現」さえわかれば楽に問題は解けるはずです。