上田ビル3F
英語スピーキング力 4技能+αで全方位から集中攻略
プロローグ
「英語のスピーキング力を生まれ変わらせるための極意」
日本では、2008年度に小学5,6年生を対象に外国語活動として小学校の英語教育は始まり、2020年には「小学3年生からの必修化」が完全実施されることとなりました。同時に、大学入試も英語の受信力中心であったものから、国際英語力基準CEFRをベースにした英語の発信力や実用英語力を重視したものに変わり、中学卒業時にCEFRのA2(準2級レベル)、高校卒業時にB2(準1級レベル)前半、大学卒行事にC1(1級レベル)まで日本人の英語力を高めようとしています。その背景には、韓国、中国、台湾が、小学3年から英語教育を行い、中学卒業時にはCEFRのA2、高校卒業時にはB2に近いレベルまで達しており、TOEFL iBTでは、世界全体で115か国中、韓国が平均86点(120点満点で46位)、中国が77点(82位)であるのに対して、日本は70点(105位)であることなどが挙げられます。
特に日本人はスピーキング力が低く、このことは、「やりとり」と「発表力」に分けて話す能力を評価しているCEFRランクも見てもわかります。1番下のA1(英検3級以上)では、家族、趣味など個人的なトピックに関して簡単なQ&Aができ、A2(英検準2級以上)では、簡単な英語で意見や気持ちを述べたり、日常的な状況でさまざまな表現を用いてやりとりができ、B1(英検2級以上)では、自分の関心がある社会状況について自分の意見をスラスラ発表し、聴衆からの質問に対応でき、B2(英検準1級以上)では、一般分野から専門分野まで幅広いトピックについて自分の考えを正確かつ流暢に表現でき、ディベートで社会問題に関して自分の視点を明確に展開することができるとなっています。
こういったCEFRのスピーキングの要求水準は日本人にとってはハードルの高いものですが、日本人が21世紀のボーダレス社会を生き抜き、グローバルビジネスピープルやサイエンティスト・リサーチャーや教育者やアーティストなどとして活躍するには不可欠な能力です。そしてそういった能力をUPさせるためには、早期英語教育や英語の語彙表現力・文法力UPだけではなく、英語の勉強や実社会での経験を通して、論理的思考力(クリティカルシンキング力)・発信力を身につけたり、世界情勢の知識や海外体験によって世界的視野を身につけたり、人間力<キャラクター)を高める必要があります。そしてそれらすべてを養うことができる「英語学習(holistic learning)」こそが、英語学習者・教育者、ビジネスピープルにとって必要なのです。
本書はそういった新時代のニーズに応えるべく、私の35年以上に渡る英語との格闘と、32年以上の実用英語指導経験を集大成したものです。まず第1章では、英語のスピーキング力UPの極意について述べていきます。第2章では、英語の発信力であるスピーキングとライティング力UPの具体的な方法の紹介とトレーニングを行い、第3章では、スピーキング力を伸ばすためのリスニング力UPの極意とトレーニングを、第4章では、スピーキング力を伸ばすためのリーディング力UPの極意を紹介します。そして第5章ではスピーキング力UPのための効果的な語彙・表現力UPトレーニングを行い、6章ではスピーキング力UPのための英文法の極意と日英の発想の違いについて述べて行きます。そして最終章では、さらにワンランクUPを目指す人のために、CEFRのランキングと比較しながら英悟道の真髄と極意について述べていきます。
本書の制作にあたり,協力をしてくれたアクエアリーズスタッフの田岡千明秋氏(第2章協力)、上田敏子氏(第3章協力)、ミッチー里中氏(第5章協力)、小谷延良(第2章協力)、小室葉子氏(校正)、田中秀樹氏(校正)、および(株)クロスメディア・ランゲージ社長の小野田幸子氏には,心から感謝の意を表したいと思います。そして何よりも,我々の努力の結晶である著書を愛読してくださる読者の皆さんには,心からお礼申し上げます。
それでは皆さん、エネルギッシュで頭脳明晰かつクリエイティブでポジティブな生涯現役(amortality)を目指し、明日に向かって英悟の道を、
Let's enjoy the process!(陽は必ず昇る!)
植田一三