上田ビル3F
現在、世界では多くの人が貧困、紛争、精神の病に苦しむという、広い意味での「格差社会」が横行しています。 事実、5人に1人が貧困にあえぎ(日本円にして月々2万円以下で生活)、日本でもシングルマザーが2人に1人、高齢者が4人に1人が、可処分所得月々10万円以下の貧困に苦しんでいます。 また、20人に1人がうつ病に苦しみ、グリーンランドでは20人に1人が自殺未遂という事態が起こっています。さらに、紛争によって難民が増大し、徴兵制度も、オーストリア、ギリシャ、スイスなどのような国だけでなく、女性の社会進出によって、男女平等意識が高いデンマーク、ノルウェー、スウェーデンなどの北欧諸国までも採用し始めるという、世界平和とは程遠い世界情勢となっています。
そういった中で、教育者のミッションは、このような社会を改善すべく、国際社会に貢献できる人間を1人でも多く育てることであると確信しています。 その意味で、英検1級のエッセイライティング問題や2次試験の対策勉強は、世界の諸問題の解決の第一歩である、社会問題の洞察(awareness)と見識・問題解決能力(critical thinking ability)を高めるのに非常に役に立つと信じています。 そういった意味で、この分野の充実した教育・出版は、単なる試験合格の域を越えて、民主主義社会が繁栄するために非常に意義深いものです。
幸い、アスク出版の『英検エッセイライティング大特訓シリーズ』は、3級・準2級・2級・準1級とベストセラーとなり、数多くの人に影響を与え、非常に役立っていることにとても喜んでいます。 しかし、それ以上に心から感謝すべきことは、英検が、上のレベルを目指して一段ずつ階段を上がり、スキルUPと自己実現への道へと導いてくれる、素晴らしいチャレンジそのものであることです。
私は英語との格闘・求道を約40年歩んで来ましたが、そのプロセスで得られた教訓は「常に2ランク上を目指して精進すれば、幸せで心豊かな人生が歩める」ということです。 つまり、他人や過去との相対比較ではなく、純粋に常に自分の今のレベルから努力することなので、他人や過去との比較で落ち込んだり、優越感に浸ってあぐらをかいたり、人を蹴落とそうとするようなことにはなりません。 つまり、学業、ビジネス、肉体、年齢で苦しむ人も、エリートや各分野での成功者も皆、頑張り続けて、よりよい社会の形成に貢献できる人間になれるのです。
英語の勉強の場合、「2ランク上を目指す」というのは、英検2級に合格した時には1級突破を目指し、準1級に合格した時には国連英検特A突破を目指し、1級に合格した時には工業英検1級・IELTS 8.5突破を目指すということです。 そして、「自己の絶え間ぬ向上」という意味で、特にチャレンジングで意義深いライフワークとも言えるものが「英文ライティングの道」です。
本書は、その第一歩である英検1級突破を目指すための一冊として、次のような構成になっています。 まずChapter 1 では、英検1級エッセイライティング問題の概要と満点突破の攻略法を述べたあと、Chapter 2では、エッセイライティングの楽勝フォーマットを記しています。 次に、Chapter 3では、必須32トピックに関するエッセイライティングの実戦トレーニングを行い、Chapter 4では、総仕上げとして実践模擬試験5回を行います。そして最後に巻末付録として、重要35トピックのエッセイを書くためのキーセンテンスを記しました。
Chapter 3では、まず各トピックの「背景知識」をInputしたあとで、エッセイを書くための「キーアイデア」を考え出すトレーニングを行い、次にそれに基づいてエッセイを書いた後、解答&解説を読んでレパートリーを増やしていきます。 そして最後に、2次試験に対応できるように、その反対のスタンスのキーポイントとそのサポートとしての解説を記しました。
Chapter4の総仕上げ問題では、5つのエッセイの添削&評価とモデルエッセイを通して、スコアUPのコツをつかみ、習得して頂くために、各問題の最後に「満点突破攻略法」の注意点を記しています。 そして巻末付録では、エッセイライティングと2次面接試験のレパートリーを増やして頂くために、重要35トピックの賛成と反対意見のキーポイントと、どちらのスタンスの方が説得力あるアーギュメントができるのかを記しました。
Let's enjoy the process! (陽は必ず昇る! )
アクエアリーズ学長 植田一三(Ichay Ueda)