英語の発信力をUP するための極意
英語の発信力をUP するための十訓

前著『CD BOOK 英検1級100時間大特訓』では、英語の達人になるための10のファクターについて述べましたが、本書ではまず、英語の発信力、ひいては英語力全体をUPさせるための十訓について述べたいと思います。

英語の発信力をUP するための十訓

  1. シャドウイングとリプロダクションで英語のリズムと表現力を同時に身につける。
  2. 音(速)読で語彙・表現力、黙(速)読で知識力をUP する。
  3. ディベートとライティングで論理的思考を鍛える。
  4. 英英辞典の英単語の定義を読んで「英悟」する。
  5. 英文法を「理屈」と「コーパス」とInput で会得する。
  6. トランスレーションで日英の発想の違いを知る。
  7. 資格試験を活用して英語のスキルをUP する。
  8. 節制・ヨガ・身体トレーニングでチャクラを開き、ポテンシャルを最大に高める。
  9. 高い目標を持ち、決してあぐらをかくことなく精進し続ける。
  10. 楽しいことも苦しいことも真理探究と自己実現への道として、そのプロセスをエンジョイする。

1 のシャドウイングがリスニングしながらすぐについていくのに対して、リプロダクションは一文聞き終わってからそれを再現するものですが、これは「受信力」と「発信力」を同時にUP させることのできる非常に効果的な英語学習法です。私の場合、バイリンガル放送がスタートした33 年前に英語の勉強を本格的に始めてから最初の3 年間に延べ1000 時間、毎日欠かさずにニュースのシャドウイング(モノマネ)をしたことによって、英語のリズム感と表現力が同時にUP しました。その後10 年間で英語の音声教材が激増しましたが、社会問題について討論する英語の発信力をUP させるためのお薦めの教材としては、本書以外にも、NHK ラジオ『実践ビジネス英語』、『茅ケ崎方式英語教本Book3 上級1』、『CNN ENGLISH EXPRESS』などで、英語力を本気でUP させたいならば、まずはそれらをシャドウイングすることを日課にしましょう。

2 は、「精読」と「速読」が車輪の前と後ろとよく言われますが、「音読」と「黙読」も然りです。つまり、効果的に英語力をUP させるためにどちらが欠けてもいけないもので、音読によって語彙・表現力がUP しやすくなりますが、150wpm ぐらいでしか読めない人が多く、それだけでは情報力がUP しないので最低250wpm のスピードで「黙速読」もする必要があります。両者のバランスを取るのが難しい人は、「音速読」にチャレンジするのもいいでしょう。私の場合は、音読は300wpm 前後のスピードで、黙読はその3 倍ぐらいのスピードで行いますが、Input day を決めて一気に『タイム』、『ニューズウィーク』、『サイエンティフィックアメリカン』などを10 冊以上読むことが多いので、自然にそうなってしまいます。

3 は、何も正式のディベートとは限りません。前著『英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング』で詳述したような、ポイントを述べてそれを証明したり、相手のポイントを反証するアーギュメントトレーニングでもかまいません。またできれば1人ディベートも実践してほしいもので、自分が賛成なら反対の立場に立って、反対なら賛成の立場に立って自分の論点をたたき、「究論」していきます。それができれば“intellectual maturity” があると言えます。そのための基礎体力作りや準備段階としてライティングトレーニングをする必要性も起こってきます。とにかく、英語の発信力をUP させるには、それらを通じて、固定観念や既存の価値観にとらわれず、社会問題を掘り下げ、賛否の両方を検討する(put an issue into perspective)ことのできるロジカル(クリティカル)シンキング力を養う必要があります。私の場合は、社会問題のみならず、日常のどんな問題でも、そのアプローチで掘り下げ、すぐに論理的分析ができるように普段からトレーニングを行っていますが、皆さんもできる限りロジカルシンキングの努力をしてみてください。

4 に関しては、私は人生でわからないことに直面した時に、英英辞典の定義を読んで、その答えを見出そうとすることがよくあります。例えば、不健康の原因になることの多い「ストレス」とは何か、また対処法とは何かについて考えた時、英英辞典のその定義を読むと、「仕事や私生活で重要なことをずっと心配して、どうなるか不安で落ち着かない気持ちがプレッシャーとなる状態」となっていました。その時、ということは「楽観的で不安な気持ちがなければストレスはなくなる」と気づき、さらに“think positive” を読んで、「迷いなく自信を持って楽観的にとらえる」とまったくストレスがなくなることがわかります。人間の気持ちというものは楽観と悲観の間を揺れ動くものですが、ネガティブな部分を言葉と自己暗示によって取り除こうとする意識的努力の意義を、こうして英英辞典の活用によって悟るわけです。また、成功するための条件としてよく言われる”dynamic” の定義を読むと、”full of energy and new ideas,and determined to succeed(何が何でも成功するという意気込みがある)”となっていますが、そこから成功するためには、パワフルでアイデアパーソンであることが重要であることがわかります。さらに、よく尊敬される人の特質として使われる”sophisticated” の定義を読むと、「人生経験が豊富で、世の中のことをよく知っており、アートの鑑識眼や教養もあり、学問、哲学など複雑な思想も理解できる思慮深さがあり、その結果、心に余裕が生まれ、自分に自信がある」となっています。これなども、単に英和辞典の訳にあるような「洗練された」ではつかみにくい意味がはっきりとわかり、かつそこから人生において大切なものとは何かのヒントが得られます。このように、言葉とその意味・用法の根底にある人間の心を洞察することによって、英単語の意味を深く理解できると同時に、「英悟」することができるわけです。

5 の英文法の知識が英語の発信力UP に欠かせないのは言うまでもありません。特に冠詞、時制、前置詞、助動詞などつかみにくいものは、理屈もわからずに丸暗記するのではなく、 コンセプトを理解し、文法哲学を持ち、多読・多聴によって「文法感」を養い、さらにコーパスも参考にして、「習うと同時に慣れよ」の精神で、ぜひ会得してほしいものです。詳しくは、前著『スーパーレベルパーフェクト英文法』を参照してください。

6 のトランスレーションの発信力UP における重要性は、前著『発信型英語スーパーレベルライティング」で詳しく述べましたが、日英翻訳練習を通して、運用語彙力、文法力がUP するだけでなく、日英の発想の違いが身に染みてわかり、cross-cultural awareness が高まるので、ネイティブの発想の英語や日本人の発想の英語を状況に応じて使い分けて英語を発信することができます。

7 に関しては、英語の各種資格試験を目指して勉強すると、モチベーションが上がり、集中して効果的にスキルUP を図ることができますが、試験合格後にモチベーションが激減するので、さらにスキルUP をしたい人は、どんどん新たな資格試験にチャレンジする必要があります。

そしてほとんどすべての試験にパスしてしまった場合は、心得9 に基づいて、360 ページの表にあるように英語の達人を目指して精進できればさらによしです。私の場合、日本で英語の勉強を毎日6 時間以上、真剣に15 年勉強した後、それ以上の伸びが日本では困難と見なすや、1000 万円以上あった年収も、自分の学校の英検1級・準1級、大学入試、TOEFL 対策指導の仕事もすべて捨てて、約3年間米国に留学することで、さらなるスキルUP を図りましたが、そのおかげで、留学後は高度なクラスの英語教育書を書くことができるようになりました。また40歳を過ぎてからの厳しい留学生活を乗り越えるために、20年間吸っていたたばこをやめて緑茶とヨガに変え、食事も節制し(断食食にも変えたり)、チャクラを開き、lateral thinking(水平思考:既存の考え方にとらわれず逆発想)とlogical thinking の両方のトレーニングをし、自分のポテンシャルを最大に高めようと努力しました。

最後に、ヨガとマラソン修行を通じて悟ったことは10 の教訓です。ヨガでは最初の頃、体が固くて、足を開いて胸をつけようとしても痛いだけで全然できませんが、苦しい時にやめてしまうのではなく、その痛いのが気持ちいい、どんどん筋肉が伸びていくと自己暗示にかけて、深呼吸とともに頑張るとだんだんと軟らかくなってきます。マラソンも最初の頃しばらく走るとだんだん苦しくなってきますが、すぐにやめずに、気持ちがいいと暗示にかけながら頑張るとどんどん走り続けることができます。そこで得た教訓は、そういった努力のプロセスをエンジョイすることが、何の分野にチャレンジしようが、潜在能力を最大に引き出し(maximize one’s potential)、真理探究と自己実現(self-actualization)をするのに重要であるということです。そういった私の人生哲学を込めた私の座右の銘(motto / guiding principle)が、いつも本の締めくくりに用いている次の言葉です。

それでは皆さん、明日に向かって英語発信力UP の道を、

Let’s enjoy the process!(陽は必ず昇る!)

植田 一三(Ichay Ueda)

年齢・性別・国籍を超える英悟の超人(ATEP [Amortal “Transagenderace” Educational Philosophartist]), 最高峰資格8冠突破&ライター養成校「アスパイア」学長。
自己実現と社会貢献を目指す「英悟道」精神,“Let’s enjoy the process!(陽は必ず昇る)”を教育理念に,指導歴40年で英検1級合格者を約2,700名以上輩出。出版歴35年で著書は120冊を超え,多くはアジア5か国で翻訳。
ノースウェスタン大学院・テキサス大学博士課程留学,同大学で異文化間コミュニケーションを指導。
教育哲学者(educational philosopher),世界情勢アナリスト,比較言語哲学者(comparative linguistic philosopher),社会起業家(social entrepreneur)。

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